(Ⅰ)コンドルは飛んでいく。
本年(2015年)2月にアメリカに行った。そして、ラスベガスからグランドキャニオン方面にいくバスの中で、徹夜続きにもかかわらず、外を見続けていた。日本ではお目にかかれない風景であった。詳細は、浜田隆政写真物語館・絆(きずな)の間を参照していただきたい。そのとき、ずっと耳鳴りがしているように思えた。疲れているのだから。だが、耳鳴りではなく、コンドルは飛んでいくのメロディが流れ続けていた。
このときに、帰国したならば「コンドルは飛んでいく」を「今月の歌」で取り上げることにしていた。
アメリカでの日程は、拙著公式HPの2015年Fieldwork―3(http://takahama-chan.sakura.ne.jp/news.html)で紹介しているごとく、いわば死の日程であった。
だが、感慨深かった。思えば、人権問題などの社会問題に関心を持ち始めたのが1968年頃からであった。キング牧師が暗殺されたのが1968年4月4日であった。その後もアメリカで人種問題が吹き荒れていた。
そして、今、アメリカ大統領がオバマ氏である。私が生きているうちに、アフリカン・アメリカンの人が大統領になるなどとは夢にも思わなかった。
だから、できる限りオバマ氏が大統領のときにアメリカに行きたかった。しかし、予算上、夢物語に近かった。それが本年(交通費・現地移動費・宿代込…み)五万円台でのアメリカ行きツアーが舞い込んできた。
私は心の友としていた大統領が二人いた。一人が盧武鉉氏であり、もう一人がオバマ氏である。盧武鉉氏が大統領の間に韓国にいくつもりであったが、彼は周知の如(ごと)く、若くして自らで自らの命を絶った。そのときの思いもあり、「オバマ氏が大統領の間にアメリカに」を夢としていた。
アメリカへの旅では道中などいろいろあったが、有益なこともかなりあった。それらの話は後日するとして、このアメリカ道中でなぜか、(誰も演奏していないのに、耳鳴りと紙一重で私の脳の中で)終始流れていたのが「コンドルは飛んでいく」であった。
(Ⅱ)「コンドルは飛んでいく」の簡単な解説。
この歌は三部構成だそうである。ウィキペディアの解説を以下紹介する。
「…1部がヤラビと呼ばれるアンデスの寒く乾いた山を連想させるもの悲しい旋律、2部がフォックス・インカイコまたはパサカージェと呼ばれる行進曲調のリズム、3部がワイノと呼ばれる華やかな舞曲となっている。サイモン&ガーファンクルがカバーしたのは、このうちの第1部の部分だけである。
……
この曲は1913年にペルー人作曲家であり民俗音楽研究家であったダニエル・アロミア=ロブレスが、自身で採譜した伝承曲のメロディをモチーフにして書いたサルスエラ(オペラの一種)の序曲として発表された。……。サルスエラそのものは当時のロシア革命やメキシコ革命などを時代背景として先住民系鉱山労働者の団結とアメリカ人鉱山主との闘争をうたったかなり政治的メッセージ色の強いものだったが、序曲であったため原曲には歌詞はない。
このサルスエラ作品は当時かなり話題を呼んだがその内容があまりにも政治的に過激であったためかその後、上演されなくなり美しいメロディを持った序曲だけが民族音楽化して残った。……
……
なお、サイモン&ガーファンクルの『コンドルは飛んで行く』はこのロス・インカスの音源に彼らの歌をミックスしたものである。コンドルは南米最大の飛ぶ鳥で、その優雅に舞う姿などからアンデスの神話などで重要な役割を果たしている。
(ウィキペディアからの引用終了)
(Ⅲ)今回の紹介の仕方と「今月の歌」について。
今月の歌では次の三パターンで、この歌を紹介することにした。
(1)ペルー・南米の人が歌う、あるいは、演奏するすばらしい歌で。
(2)原作の趣を強く残している歌で。
(3)最後がサイモンとガーファンクルの歌である。
なお、(3)に関しては英語での全文を掲載しているので参照してもらいたい。
ところで、私の仕事に対して、なぜか妨害が多い。この「今月の歌」(原則として毎月5日発表を予定している)もそうである。昨日から本日にかけての妨害模様は私の各種HP類でわかるであろう。今回も、この原稿をぎりぎりかけるかどうかに追い込まれている。それ以外に妨害が必ずあるのが、8月6日に広島へ行く場合である。また、フィールドワークも妨害が多い。しかも、大義のあるときのフィールドワークほど妨害が大きい。
さらに、「今月の歌」作成に当たっては揶揄(やゆ)されたり、茶化(ちゃか)されたりすることが多い。だが、私はこう思うのである。それは、私の安らぎ文庫HPの安らぎ英語に書いた通りである。
「Listen to the song
the angels sang
when you were born.
Listen to the song in your heart..
(-あなたが生まれたときに
うたわれた 天使の歌声を 聴こう
あなたの心のなかの歌に
耳を傾けなさい- )」(Anthony de Mello)
(私のHPの以下参照。ただし、もう二週間程度でこのページは改予定です。http://h-takamasa.com/conversation/index.html)
私は、歌とそれを歌っている国の人を結びつけたときに、戦(いくさ)を防ぐ上で一定の効果があると信じているのである。
「もし、志を同じくする人がいたならば、世界の歌を、その地の人々と結びつけて広げていこうではありませんか。」私は今、193か国を対象としている。
{今回から、使用する国の解説を私のHPで行っている。}
最後に、今回、掲載するのを迷った演奏・歌が今回掲載した歌・演奏とは別に約12あり、それらの幾つかを私の公式HPや安らぎ文庫HPで順次紹介していく予定でいる。
今月の歌のアドレスは⇒http://takahama-chan.sakura.ne.jp/song/menu6.html