【解説】十月の歌「フランス特集」=テーマ「自由・平等・友愛を芸術と共に」(上)

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【解説】十月の歌「フランス特集」=テーマ「自由・平等・友愛を芸術と共に」(上)
――”Liberty, equality, fraternity” with art, from France to the world.
――Liberté, égalité, fraternité avec art, de France au monde.


【解説の構成】

(序)今月の歌について。
(一)今月の歌の構成と私の主張
(二)今月の歌選択に当たって――曲とコンテンツの選定。
    ◇―1・総合的な基準について。
    ◇―2・(序)・「フランスのシンボル―自由・平等・友愛を芸術と共に」の選択。
    ◇―3・(1)愛の賛歌について(②~④の歌該当の選択)
        1・②の歌:ブレンダ・リーと映画
        2・③の歌: Edith Piaf(エディット・ピアフ)
        3・④のコンテンツ:見事な絵画を中心とクレーダマンのピアノ演奏の共演。
    ◇―4・(2)マイウェイ(Comme D’Habitude―My Way)について(⑤~⑦該当の選択)
        4・⑤マチュー、プレスリーと絵画の三重奏
        5・⑥My Way―熱唱フランクシナトラ
       6・⑦Comme d’habitude―熱唱クロード・フランソワ
(三)歌の紹介(※注1)から(※注3)
(四)今月の歌に収録歌手の紹介:(※注4)~(※注10)
(五)フランス特集→「今月の歌・十月の歌」参照
(六)十月の歌の解説⇒安らぎ文庫Blog→このBlog




(序)今月の歌について。

今月の歌は、フランスである。中心曲は「愛の賛歌」と「マイウェイ」とした。その経緯を記す
2016年10月3日の「気が向けば戯言(たわごと)」に、今回のテーマの経緯をしるした。最初の方を引用する。

《引用開始》
「黒柳徹子なる人物がいる。時々まともなことを喋(しゃべ)る。
加山雄三なる人物がいる。時々型破りをする。
この型破りを、昔はジョークで悪いことをすると言っていた。犯罪ではなく、悪戯(いたずら)類若しくはジョーク類である。

要するに、一人は時々まともとなり、一人はときどきその逆となる。そこで気が合うのであろう。
この二人が、NHKの番組「ミュージック・ポートレート 加山雄三×黒柳徹子 第2夜」(2014年)で語っていた。

人生の最後(最期)に聴きたい歌は何か。
両者ともに、「マイウェイ」を選んだ。
それが、今月の歌で、この歌を選んだ理由である。

しかし、難問がでてきた。
この歌の国籍(作曲者)はフランスである。そこで、今回フランス特集とした。
同時に、黒柳徹子なる女性が昔語っていた、「愛の賛歌」も加えた。
両者ともに、この歌の原曲歌詞で紹介予定でいる。
《引用終了》

ただし、今回のテーマ「自由・平等・友愛を芸術と共に」の関係で、今月の歌は絵画「民衆を導く自由の女神」(La Liberté guidant le peuple:Liberty Leading the People)とピアフが歌う「ア・サ・イラ」(又は「アサイラ」:フランス革命に由来する歌)から開始となる。


(一)今月の歌の構成と私の主張

今月の歌の構成は以下の通りである。
【(序)トップ・フランスのシンボル―自由・平等・友愛を芸術と共に】
【(1)愛の賛歌】
【(2)マイウェイ】

今回、意表をついて、My wayではサルドウ・Sarudou(に関する見事なコンテンツがあった)と クロード・フランソワ(Claude François)、そして新しい歌い方として Philippine Madrigal Singers (フィリピンの歌手グループ)でいこうかとも考えた。別の案もあった。愛の賛歌も幾つもの案があった。そのくらい層が厚かった。

結局落ち着いたのは、(序)の絵画→①映画、(1)②映画、③歌詞(詩)、④絵画→(2)⑤絵画→⑥情熱→⑦情熱であった。

即ち、歌の背後には①②が映画(*^▽^*)、③が詩文(愛の賛歌の原文歌詞に注目\(◎o◎)/!)、④⑤絵画( ・∀・)、⑥⑦が情熱ヽ(゚Д゚)ノである。これが今回のテーマである。「自由・平等・友愛を芸術と共に、フランスから世界へ」である

これからのプレゼンテーションでは、歌と映像・その他の芸術などのコラボレーションが求められる。しかし、一番重要なものは情熱である。その原点の重要性として、拙著『旅に心を求めて・不条理編(下巻)―行きとし生けるもの』(Kindle版)に次のように書いている

《引用開始》

第3章・水俣再訪――生きとし生けるもの

 科学がどのように進化しようと、社会がどのように進歩しようと、どのような天才的な授業をなす人間が現れようと、絶対にできぬ唯一のことがある。
 何も持たない老婆がいて、孫が懸命にその老婆に尽くし、否(いな)、それ以上に心を祖母に与え、そして何もない老婆が何もできないが故(ゆえ)、その孫のために懸命に何日もかけ、手作りの人形を作ったとしよう。
 幾ら、科学が進歩し、大量生産で、この人形の何倍ものきれいな人形を作れたとしても、老婆の人形が人に与える印象を上回ることはできない。
 授業も全く同一であること。これはプロ意識と矛盾するものではなく、プロ意識の土台となるものである。

《引用終了》

授業を歌に置き換えればよい。
その情熱を今回の③⑥⑦でみた。そして、③⑥⑦の情熱を強調するため、④と⑤は絵画を中心に静寂さをだした。逆に②では③を強調する映画とした。
プロである以上、情熱だけでは駄目であるが、最終的土台はやはり情熱である。それを強調した。



(二)今月の歌選択に当たって――曲とコンテンツの選定。

  ◇―1・総合的な基準について。

先に、コンテンツの選択についての概略を述べる。
一つは、どの歌手が良いかではなく、どのコンテンツが良いかである。大きく言えば二つの意味がある。同一歌手でも、いつ、どこで歌ったものが良いか。
次に、それをYouTubeなどで投稿する人のコンテンツ作成技術問題がある。即ち、音響は、ノイズは……も検討しなければならない。更に、付加価値(画像美など)をつけていた場合にはそれも重要な要素となる場合がある。その逆ですらある。映像美がよく、歌が付録の場合すらある。これらを総合してコンテンツを選んでいる。

二つ目は、私の「今月の歌」全体の流れである。一気に①~⑦までをみても飽きないような工夫とか、今回ならば⑥⑦の情熱を引き立てるため、④と⑤は静寂てきなものにした。さらに、②の映画を配置し、③「愛の賛歌」をピアフで盛り上がらせ、一度、④絵画とピアノ演奏で鎮め、再度、⑤で徐々に加速し、⑥と⑦の〝情念〟を強調するという戦略もあった。同時に、背景に、フランス芸術をおいている。

要するに、どの歌手がよいかではなく、どのコンテンツがよいかである。だから、場合によれば、今月の歌付録・今週の歌の方が歌が良い場合があるかもしれない。
なお、今月の歌・付録今週の歌(毎週公式HPトップと安らぎ文庫HPトップで更新)は第1週・フランス若しくはフランス語編、第2週は英語若しくは英米編、第3週は英米以外編、第4週は日本若しくは東アジア編としている。


◇―2・(序)・「フランスのシンボル―自由・平等・友愛を芸術と共に」の選択。

(序)は、一言でフランスを表せるコンテンツとして、YouTubeで絵画が多投されているものを探した。幾つかあった。候補としたものは以下の(A)~(C)三つカテゴリー(範疇:はんちゅう)からなる。

(A)フランスの哲学である、自由・平等・友愛の理念を打ち立てた物に関する歌。
具体的にはインタナショナルとフランス革命のシンボルに当たる歌である。「サ・イラ」(仏: Ah ! ça ira, ça ira, ça ira)はフランス革命の際に流行した歌で、「ラ・マルセイエーズ」や「ラ・カルマニョール」 (La Carmagnole) がこれに該当する。


a)「インタナショナル」
当初は「インタナショナル」にする予定でいた。それは世界的に知名度が高いばかりか、音楽として芸術性が高いからである。歌詞が左翼すぎるという声があるかもしれない。しかし二点考えてもらいたい。

一点は、インタナショナルの歌詞は当初は「ラ・マルセイエーズ」の歌詞であったと聞いたことがある。だが、歌詞が変更され、最初の歌詞がインタナショナルに移動しただけである。なお、インタナショナルはフランスのパリコミューンの中から生まれたものである。
さらに、歌詞問題とすれば、今回取り上げる、「マイウェイ」はフランス語と英語では全く違っている。
フランスには二つの「マイウェイ」があるときく。一つはクロード・フランソワ(Claude François)が歌う「Comme d’habitude」(いつものように)である。それがアメリカに行き、日本で知られているマイウェイとなり、逆輸入され、フランスでもシナトラ版マイウェイが歌われるようになったと聞く。よって、歌詞は変化もする。インタナショナルの歌も例外ではない。

二点目は、曲としての芸術性である。この歌は芸術性が高い。世界連帯ということを考えればタイトルもよい。さらに、「飢えたる者」とは、今や食事だけではなく「愛」に飢えたものも指す。そういう意味でも、世界中の食事・愛に飢えたる者よ、立ち上がれと考えれば歌詞も悪くない。ましてや、世界的に高齢化を迎え、老人諸君にも当てはまる人が多いとも思う。

しかし、断念した。インタナショナルのコンテンツの画像に、私が思うものがなかったからである。


b)「ラ・マルセイエーズ」。
これは画像のよいものもあった。歌もよいものもあった。曲も悪くない。しかし、今月の歌では国歌は扱わないことを原則としている。というのは、国歌で芸術性の高いものはある。しかし、国によれば国歌で芸術性の低いものもある。一国だけ国歌を掲載すると、他国との平等上の問題がでてくる。そこで、国歌は芸術関連Blogに限定して、どの国も掲載しない方針を採っている。そこで、除外した。


c)結果として、「サ・イラ」で、歌はピアフ(Piaf)とした。
なお、結局、採用しなかったが、後二つのカテゴリーも紹介する。



(B)シャンソン風のもの。
「Sous le Ciel de Paris」(「パリの空の下」)を考えた。ただ、条件が三つあった。一つが、絵画中心で、すばらしい見栄えのするコンテンツである。二つ目が歌ではなく、演奏中心を考えていた。特にアコーディオン演奏を望んだ。三つ目が総合的にすばらしいものである。
歌が良ければ画像が今一つ、その逆もあった。そこで断念した。

(C)フランス絵画を中心とするもの。
歌以上に、フランス絵画の画像を強烈にアピールするものを探した。あることはあったが、インパクトが(A)より劣っていたため、(A)の方を優先した。



◇―3・(1)愛の賛歌について(②~④の歌該当の選択)

  1・②の歌:ブレンダ・リーと映画
②映像とのコラボレーションでの「愛の賛歌」か綺麗(きれい)な歌の代表例のどちからかを考えていた。
この歌の英語版の方で、綺麗(きれい)な歌……コーラスでも、綺麗(きれい)なソプラノでも、相当アレンジしてポップ調でも……。勿論、映像とのコラボレーションでもよい。サイレント映画があった如(ごと)く、映像も歌と並ぶ芸術である。②は③につなぐ重要な位置を占めている。

映画映像とのコラボレーションではブレンダ・リーの可能性が高い。

綺麗(きれい)な歌の方では、男性歌手・クロスビーの可能性が高い。また、アレンジの上手(うま)さからではLara Fabianが中心(集団芸術作品)のコンテンツになるかもしれない。誰になるかは直前まで不明である。
綺麗(きれい)な・見事な歌編ではかなりのコンテンツがあった。勿論、この場合でも、芸術性は高くすることは可能である。それでよいとも思う。

ただし、原文に従った歌い方は、人生が反映しなければ無理であろう。そして、もっとも、その種の人生は良いか・悪いかは不明であるが、芸術とすればそうなるであろう。だが、②は③と同一では困るため、綺麗(きれい)な歌か、③を強調するための映画の映像中心コンテンツとなるであろう。

結局、③の歌の歌詞を強調するため、綺麗・見事型(例:賛美歌型)ではなく、映像型を掲載することにした。勿論、ブレンダ・リーの歌唱力は私が記すまでもなく見事でもある。

      2・③の歌: Edith Piaf(エディット・ピアフ)
愛の賛歌は多くの良い歌手の歌があったが、ピアフがずば抜けていたように思えた。特に、当初の歌詞を表した形で歌うとなると、もう、これはピアフで決まりとなった。この歌詞のフランス語版を見たが、凄(すさ)まじい内容であり、英語とは随分違っていた。

勿論、私はフランス語など分かるはずがない。だからフランス語歌詞を日本語に翻訳した人の訳をみての話である。こんな凄(すさ)まじい歌詞に対応するのは、黒澤明監督が映画『酔いどれ天使用』に作詞した「ジャングルブキ」程度である。もっとも、後者は、笠置シズ子氏が、「先生、こんな歌詞、私、よう歌えません」と言ったため、多少穏(おだ)やかな歌詞になったという経緯がある。

この歌詞に合うように歌うには歌唱力だけでは不可能であろう。またそれでよいのではなかろうか。あれを歌いきるには私生活も含めて、相当な人生を歩んでいないと無理である。もっとも、日本では、この歌詞を表現できている人を一人だけ見つけた。それは、今月の歌・付録今週の歌の日本シリーズ(若しくは東アジアシリーズ)で紹介する。

ピアフは決まったが悩みはあった。(①~⑦に該当するコンテンツも同様である。)
レコーディングされたもの(完璧に歌ったものに)に見事な映像をつけたコンテンツもあった。彼女の映像のついた見事なコンテンツもあった。実際、これが一番視聴回数が多かった。しかし、今回は、思い切って歌詞(文体)を強調してみた。歌詞を味わってもらいたい。そこで、③の歌詞中心のコンテンツの前には、その歌詞を理解しやすいように映画の画像付きコンテンツ②を持ってきた。



   3・④のコンテンツ:見事な絵画を中心とクレーダマンのピアノ演奏の共演。
今回のフランス特集は絵画・芸術を中心としているため、絵画を中心としたものを候補として三つ選んでいる。どれにするかは掲載直前まで不明である。
現時点では、 リチャード・クレイダーマン(Richard Clayderman, 1953年12月28日 – )のピアノと絵画からなるコンテンツを掲載予定でいる。あと二つ有力なものがあり、迷っているため、直前まで不明である。
ここは、既に述べた如(ごと)く、③と⑥⑦の三つの盛り上がりの間での静寂をだすという役割とフランス芸術の表現という両方の役割を持つ。
特に③と⑥⑦が連続すれば、この場合には相乗効果よりは相殺(そうさい)的な感じになる危険があったため、それを避けた方が良いと判断した。そこで、②から③で盛り上がった感情を白紙に近い状態に戻す、即ち無の心に戻す必要があった。
とは言え、このコンテンツも優れているのは一目瞭然のはずである。


【解説】十月の歌「フランス特集」=テーマ「自由・平等・友愛を芸術と共に」(下)に続く

今月の歌・十月の歌「フランス特集」=テーマ「自由・平等・友愛を芸術と共に」
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