カメラの話・第一回―三脚がなく、絶対に手振れが起こる場面でどうするか。
①ストロボ・フラッシュを使う→暗い風景では一般に駄目・無理。
ストロボの飛ぶ距離は三~六メートルかもしれません。屋外や寒いともっと短いです。要するに、バッテリーの無駄遣いです。詳しくは(※注1)を参照
②ISO感度をあげる→現在の科学では限界あり。
粒状性のみかカラーバランスの乱れが生じます。また、写真は原則として作品化する場合にはA3(A3ノビ)を頭において撮影することが望ましいです。カメラマニュアルにあるISO感度表は、サムネイル(切手サイズ)とか、せいぜいLサイズでごまかす範囲の数値です。モニターは解像度が悪いので、プリントよりは大きく見ても大丈夫です。しかし、カラーバランスは無理です。(※注2)参照。ISO感度をどこまで上げられるかは、メーカーよりも専門家の書いた本や自分で実験をしてみてください。
※私の所有してるカメラの例
D90はISO200からISO200迄(まで)(一かばちかでIS400)。
D800はISO800まで作品可能(一かばちかでISO 1600)。
③私の持論→「ストロボ・フラッシュは明るいところで、暗いところでは使うな」
暗いところではストロボは使うな。明るいところではストロボの使用を忘れぬこと。 暗さには情感があります。ストロボなどを使用すると情感は消えます。逆に明るいときには光線の関係で写真が硬くなったり、人物ならば顔に影ができたりします。どうせ明るいのだからストロボを使用しても明るい場面の情感は失われません。
秘伝―1。毒は毒で制す。ブレルならばビンぼけで撮れ。
ピンボケは撮り方次第では芸術性がある。
秘伝―2。撮るときはカメラマン、撮った後は画家に変身
粒状性や画質が劣化しても良いので、やや高感度で撮り、後でレタッチで補う。
秘伝―3。手振れを生かして撮る。
これは手振れの勧めのコーナーで紹介します。
★秘伝―1~3は浜田隆政写真物語・〝絆の間〟附属技術の間にて解説します。
【※注】の解説 →※注1は難しいので興味のある人だけ読んでください。
(※注1)ストロボの飛ぶ距離:【通常の理論】→難解なので無理して読まぬこと。
ガイドナンバー(GN:製品カタログに記載)÷絞り×√{100分の(ISOナンバー)}→これがストロボの飛ぶ距離です。(例:ガイドナバー12の内蔵フラッシュ、レンズの明るさがF4、ISO感度100の場合→12÷4×1=で3メートル。ISO400ならば、√(400/100)=√4=2のため、12÷4×2=6メートルとなります。しかし、屋外では実際にはそこまで飛びません。よって、幾らストロボ・フラッシュを使用しても全く何もしていないのと同様です。
【ストロボの飛ぶ距離:(浜田方程式)】 GN÷絞り×√{100分の(ISOナンバー)}×レンズの焦点距離係数×(シャッタースピードが原則1/250より早いときは仕様記載の係数)×周りの状況(塀がある場合には効きが強い、夜の海で囲いが何もなければ効き目は弱い=経験値)×温度(係数があります)。この浜田方程式が実際にストロボが効く距離です。経験値と段階露出が必要です。モニタでは詳細なことは分かりません。
(※注2)高感度対応の実話。
私の所有しているカメラを私の目で見た場合の話。
(ア)D90。 D90では標準ISO200~3200対応となっていますが、私の目ではISO200からISO200までのカメラです。非常に便利がよく重宝していますが、このカメラを中古で購入しても、フィルムカメラF5などをメインとし続けました。ここ数年はISO400でも5000枚に数回程度です。ISO800等は使用しません。作品画質とメーカーの数値の対応表とでは乖離(かいり)があります。
(イ)D800(2012年発売、2012年9月購入).
D800は標準ISO100~6400、拡張ISO50相当、80相当、8000相当、25600相当と記載されています。
このカメラは、私の目でみますとISO800まで作品になります。驚異的な数値です。一かばちかでIS1600でも試すに価する場合があります。ISO1250でも使用したことがあります。 このカメラから、ようやく、私はデジタルに参入したといってよいでしょう。このカメラにも幾つもの限界がありますが、2012年当時のカメラとすれば大変よくできたカメラでした。こう褒(ほ)めると、Facebookに書いたように、カメラ・レンズに悪戯(いたずら)か何かをされ、カメラ・レンズで不調続きとなりました。何故(なぜ)か褒めるとひどい目にあいます。 ニコンのデジタル一眼レフカメラで、メインとして使い物になったのはNikon D3Xからです。しかし当時実売で90万円のため購入できませんでした。D800がでて漸(ようや)くデジタルに移行できました。出てと行ってもニコンには本社宛に手紙を出したり、サービスステーションで注文をだしたり、幾つものサイトに必要スペックの書き込みをしたりして……ニコンに恨まれながら……注文の成果がでたカメラのような気がします。
なお、最近のニコンのカメラ(多分、キャノンやソニーなども)、高感度対応は更に発達しているようです。勿論(もちろん)、幾つもの限界はあります。私の目ではどうしてもニコンF5(1997年購入のフィルムカメラ)よりも、オートフォーカスのスピードと正確さは落ちている気がします。ちなみに、1997年購入のニコンF5は秒8駒で写せます。それも、よいレンズとの組合せではピント精度はかなり良かったです。D800でもまだ20年前のフィルムカメラよりも幾つか劣っている点があるように思えます。ピントも、D800などですらピントの合いにくい被写体は苦手としています。F5はそれでもピントを合わせられることが多かったです。
なぜ、高感度が必要か。それは仕事の関係で、寺・教会の屋内で、平和記念館の屋内で、ストロボなし、三脚なしで写せるカメラが不可欠だったのです。また、夜中に手持ちで写すには高感度不可欠です。ニコンのデジタルカメラでその要求を本当に満たしだしたのがD3X、手に入る価格ではD800からでした。 ISO800で写しても作品になるということは、画期的なことでした。しかも手振れ防止のレンズとの組合せでは、確かに科学は一部は進歩しているようです。
金欠(キンケツ)のため、最近のカメラは購入できませんが、購入できればコメントできるでしょう。ちなみに、こうしたコメントをニコンの枠内でしているときは大変ニコンとスムーズにいっていました。私のコメントを聞いて、つくったようなカメラ・レンズが馬鹿売れしたのですから。しかし、キャノンの御手洗富士夫氏が経団連会長になった頃から、カメラ・レンズに関しては全てのメーカー宛への要望にかえました。すると、ニコンとも冬の時代に入っているのかもしれません。
カメラ全体への要望の例とすれば、カメラメーカーが競って常用感度をISO100からISO200とし、更に常用感度を上げようとしたときに、それは間違いだと苦言を呈したことなどです。そして、常用感度を逆にISO100に戻すことができました(ほぼ全メーカーの主力商品で)。常用感度が、なぜISO100が良いかは、被写体ブレのコーナーで記します。(被写体ブレ必要作品として滝、ボケの必要写真は記すまでもありませんが、常用感度がISO800になり、ISO100などが拡張感度となれば、ISO100の画質は劣化します。同時に滝などの芸術的撮影は大変ややこしくなります。)