『親方日の丸―第一部親方日の丸の組織構造』の概要
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法則性の一部紹介=浜田隆政公式HP該当箇所→http://takahama-chan.sakura.ne.jp/custom85.html
全体=安らぎ文庫HP→http://h-takamasa.com/
私は特殊法人・雇用促進事業団(後の雇用能力開発機構)運営の大学校に専任講師条件で招聘(しょうへい)され、実際には非常勤講師で監禁された。そして、膨大な労基法違反・契約違反などの不法行為のため、三度大吐血五度入院を余儀なくされた。主治医のアドバイスでこの大学校の辞職を余儀なくされた(1998年初頭)。
そこで、この大学校の運営権者・雇用促進事業団相手に生活保障を、この大学校の所管者・労働省に救済の手紙をだした。1998年であった。それでも進行しないため、早大大学院政治学研究科先輩の小渕恵三元総理に書留で救済文書をだした。2000年4月3日である。その夜、小渕総理大臣緊急入院となる。今回の文書関連は主要政党・関連政府機関に送付済みであり、怪文書ではない。
この過程で、労働省(現・厚生労働省)の職場ともいえる大学校で、何故、こうした労基法違反や違法行為がまかり通ったのかを分析せざるをえなくなった。分析していくうちに、将来の日本の危機が予測でき、政治学研究者としての性(さが)と使命感から、私の遺恨を離れ、科学的研究に没頭することになった。
この過程で、幾つもの予測と警告を世に発した。
最初に文書を記しかけた頃では、国の借金は300兆円前後であった(1998年頃)。このときに、私は特殊法人・独立行政法人分析の結果、隠れ借金が膨大にあり、更に経済分析からこのままでは国の借金は1000兆円を超える、と警告した。
また、特殊法人、独立行政法人の組織構造から、国家の舵(かじ)取りは不可能となることを分析し、その文書を主要政党や政府関連機関に送付した。もし、このときに、この文書を主要政党などがきっちりと読んでいれば、雇用能力開発機構の「私のしごと館」などをつくることを阻止できたであろう。建設費用約583億円かけて2003年に建設し、その5年後頃から売却検討、2010年に廃止という無駄遣いは防げたであろう。廃止までは毎年20億円程度の赤字とくる。その前の1700億円の施設を7億円での投売りも防げたかもしれない。雇用促進助成金類を暴力団に何億円も流すことも防げたであろう。
さらに、労働省関連職場での労基法違反の分析から、このままでは日本にワーキングプアが蔓延(まんえん)することや、非正規労働者が大量に溢(あふ)れ、大社会問題となることも警告した。最初の警告が1999年である。その萌芽(ほうが)的警告は1998年である。これらは労働省にも直(じか)に送付している。
なお、私が雇用促進事業団で配置されていた職場は大学校であった。その関係で、崩壊していく教育現場もみた。それも分析した。教育は現象であり、現象である限り法則があり、その法則を発見することにより、諸問題を解決できる。そして、この大学校群には、将来の教育崩壊現象の萌芽的因子があった。
それらを記したのがこの書物である。すなわち、組織の機能不全を引き起こす因子、教育崩壊現象を引き起こす因子、全体を貫く法則である。マックス・ウェーバーの言う、没価値性で研究したため、これらの問題因子や法則に主観は入っていない。
この書物は、社会科学を志す学生諸君・研究者諸君、本気で日本を憂う気のある官僚諸君、諸政党、マスコミ関係者、教育の現場に携わる人達、日本の将来に関心のある人達に必読の書物であると考えている。
1999年頃送付文書を大幅加筆・修正して、この書物を完全作成し、諸政党幹部に最後に送付したのは2010年であるが、法則研究のため、その有効性は現在どころか、将来もある。
この書物は長いので一部と二部に分割をした。一部は、帰納法で雇用促進事業団・雇用能力開発機構を分析する中で、国家のガンの因子と発祥メカニズムを研究したものである。簡単に言えば親方日の丸主義の構造研究である。第二部は、演繹(えんえき)法に類似する手法で日本経済を分析している。その過程で、国民年金問題と社会保険庁問題などの警告をした。そして、この親方日の丸の執筆時期に国民年金問題が火を噴くことになる。私の記述と同時並行であった。詳細は、『親方日の丸』第二部を御覧いただきたい。
本の構成は以下の通りである。
第1章では、被害の実態と、雇用能力開発機構の問題点を小泉総理に書留送付した文書を、原則として誤字・脱字も修正せずに掲載している。(小渕総理に送付した文書は今回は収録していない。)
第2章は、官僚・独立行政法人の権益確保体質の実態である。炭鉱労働者失業救済のためにできた雇用促進事業団が、その仕事がなくなっても、自らの組織維持のため、レジャー産業も含む膨大な分野に進出した姿などである。大赤字で撤退した後、自らの組織維持のため、教育聖域論を利用して教育分野に進出する。その結果、親方日の丸大学校が三十近くつくられていく。そして、私はこの大学校の一つに専任確約で閉じ込められた。そこで見た実態を紹介した。読めば権益主義の危険さに気づくであろう。
第3章では、親方日の丸主義の大学校で、創設当初は真面目な学生もいたが、偏差値が上がるに従い、逆に学校が荒廃した状況を学術的に記録した。教育は現象であり、現象には法則がある。その法則も記している。そして、法則であるが故に、その因子が揃(そろ)えば他の学校・他の組織も同様の現象を示すことになる。教育に携わる者には必読箇所である。
第4章では、親方日の丸組織の因子の分析と、その因子の結合の仕方を分析したものである。具体的な紹介は、拙著ホームページに掲載しているので参照いただきたい。社会科学系の学生・研究者には必読の箇所である。勿論、官僚自身にも。
第5章では、こうした組織に閉じ込められるとどうなるか。体がむしばれていく状態を私の実例から紹介している。組合や非正規労働者には必読である。否(いな)、全国民に必読である。このままいけば、あなた方の将来なのだから。
私は未来を見た男である。何故ならば、労働省の職場に監禁されたのだから。雇用促進事業団の理事は労働省の天下りであったのだから。労基法の抜け穴の専門家だったのだから。労基法がざる法となり、日本中で大変なことが起こると、約二十年前に警鐘をならした。実際、自殺者数は日露戦争当時の死者数を毎年陵駕(りょうが)している。
映画・「猿の惑星」同様に、私は何かの弾みで未来に閉じ込められた人間である。「労基法の抜け穴を知り尽くした人間達が支配する職場」に、専任を餌で、パートで十五年閉じ込められた人間なのだから。