気が向けば一言【現代イソップ】№94第二話・貧者の贈り物
第二話・貧者の贈物
お世話になった。
親戚・近所づきあいをよくしよう。
貧者はなけなしの金をかき集め、思いきり高い物を買いました。
それをAさんの子供B君に贈りました。
▽
Aさんは最初大喜びでした。
当然でしょう。
今度はCさんの子供です。
貧者は、家に落ちている小銭をかき集めて、Cさんの子供Dに高額な商品を贈りました。
Cさんは喜びました。
▽
更に数か月後に、Aさんに偶然出会いました。
Aさんは、怒っていました。
「あなたは、Bさんに高額な商品をあげたでしょう。我が家へより高いではないの。
金額をおっしゃいよ!」
▽
更に数か月後、Cさんに偶然出会いました。
Cさんは怒っていました。
あなたのおかげで我が家は大危機になったじゃないの。
「
子供Eが言うの。
『どうして、兄さんのDだけもらって、僕にはないのだ。僕はDでなくて、Eだ。』
と言って怒り回っているの。
それもあなたにだけではなく、Eは兄のDにも怒っているのよ」
兄弟喧嘩が激しくなったそうです。
「それに、近所の人達とも大変よ」
▽
さらに、何年も経(た)ち、私は超有名になってしまいました。
有名な私にもらった貴重な商品ということでプレミア価格がつき出しました。
すると、AさんとCさんは、村中・親戚中に妬(ねた)まれ、村におれなくなり、どこか遠方に引っ越ししたとの噂(うわさ)を聞きました。
※
オーヘンリーの「賢者の贈物」に対して、「貧者の贈物」を書こうかと思っている今日この頃です。